「ひらこう!学校図書館 第27回集会」 開催報告
日時: 2024年7月13日(土)
会場: 日本図書館協会 2階研修室 /同時にzoomでオンライン開催
参加申込者:対面29名 オンライン79名 計108名
■ 問題提起:10時30分~12時00分
「学校図書館が抱える課題とは-JLA学校図書館職員調査(自治体向け、個人向け)の結
果から-」と題して、日本図書館協会理事の高橋恵美子氏により、自治体向け「学校図書館職
員雇用状況調査」と個人向け「学校図書館職員に関する実態調査」の分析から明確になった問
題を提起いただいた。個人向け調査では、教育委員会や学校内でも役割を理解されず、孤独
を感じて働く学校司書の悲痛な声が報告された。今後も多種多様に存在する実態の把握に努
め、提言につなげていけたらと思った。
■ 記念講演:13時00分〜15時00分
様々な形で社会全般の大きな変化をとらえ、あるべき教育の姿を提示してくださっている、
東京大学名誉教授の佐藤学氏が「生成AI時代の学びと読書-学校図書館の役割を見直す
ー」と題して講演くださった。生成 AI 時代の到来において、人が道具の奴隷になるか、道具
の良き使い手になるかが問われているとの危機感を述べられ、急速に普及する生成AIのリス
クを解説いただいた。今後どのような教育のあり方が求められるのかとともに、生成AI時代に
おける学校図書館が果たすべき役割をご教示くださった。
「これでいいのか図書館 担い手にまっとうな待遇を求める院内集会」開催報告
テーマ: 本来正規職員の司書(学校司書を含む)で支えられるべき公的サービス
としての図書館の正規職員への道を探る集会
主 催:「これでいいのか図書館 担い手にまっとうな待遇を求める院内集会」実行委員会
日 時: 2024年6月6日(木) 15:30~18:30
会 場: 衆議院第2議員会館多目的会議室
主催構成団体:日本図書館協会、図書館問題研究会、学校図書館問題研究会、
官製ワーキングプア研究会、公務非正規女性全国ネットワークはむねっと、
図書館友の会全国連絡会、学校図書館を考える全国連絡会、
立教大学特任教授 上林陽治氏、都留文科大学教授 日向良和氏
後援:(公社)全国学校図書館協議会、親子読書地域文庫全国連絡会、
(公財)文字・活字文化推進機構
超党派の学校図書館議員連盟の国会議員ら11名(秘書含む)が参加、5名の議員からの
挨拶があった。5社のマスコミ関係者の参加もあり、図書館の非正規職員問題を広く提言
できたのではないかと思う。「公共図書館・学校図書館に働く非正規雇用職員の待遇改善
を求めるアピール」も採択された。
学校図書館を考える全国連絡会は、日頃より図書館・学校図書館の職員問題に取り組む
他団体と連携し、院内集会を開催できたことを大きな成果と感じた。今後の連携も
模索していきたいと考える。
院内集会での各報告資料とアピールは、日本図書館協会HPに掲載されている。
報告 図書館友の会全国連絡会「公共図書館職員調査」
報告 日本図書館協会「学校図書館職員調査」
報告 文部科学省「学校図書館と学校司書の現状」
公共図書館・学校図書館に働く非正規雇用職員の待遇改善を求めるアピール
全国連絡会主催 「ひらこう!全国交流会」 開催報告
開催日時:2024年2月4日(日)14:00~16:00 形式:Zoom 参加者:31名
「現場にいる学校司書として提言をどう受けとめるか」と題して、松井正英さん(長野県諏訪
清陵高校・附属中学 学校司書)は、第26回集会での塩見氏の講演をあらためて整理し、現
場で感じられている状況とすり合わせての問題提起をされた。
その中で、学校図書館には、職員として採用された専任の人、つまり「図書館のはたらきを担
う人」が必要であり、この「図書館のはたらきを担う」ということが、すなわち「学校図書館の専
門的職務を掌る」人であると述べられた。当面は「学校図書館のはたらきを担う」者としての学
校司書の確立を進めていくと同時に、「教育活動と学校図書館の働きをつなぐ」者としての司
書教諭の役割を明確にし、実態を作り、定着させていくという塩見氏の提言は現実的で、この
提言を受け止め、この方向を進めていくのは妥当ではないかとのことだった。
後半の情報交流では、参加者が各地の学校図書館の現状の報告をしつつ、協力しながら今
後の活動のあり方を模索していくことを確認した。